【2016.07.21 更新】
県内のJAグループ,森林組合、生協の3つの協同組合が参加する「奈良県協同組合連絡協議会」による「第24回奈良県協同組合デーのつどい」が、7月15日(金)、ホテルリガーレ春日野で開催されました。このつどいは全世界の協同組合員が心を一つにして運動の発展を祝い、平和とよりよい生活を築くために、毎年7月第1土曜日の「国際協同組合デー」にちなみ開かれているものです。会場には協同組合関係者116名が集い、協同組合運動の意義を確かめ合いました。
協議会委員長で奈良県農業協同組合中央会会長の中出篤伸氏の開会挨拶のあと、来賓を代表して奈良県くらし創造部消費・生活安全課の姫野隆昭課長からご祝辞をいただきました。
今回は農業経済学や農業協同組合論がご専門の滋賀県立大学教授の増田佳昭先生を講師にお招きし「協同組合の現代的意義」と題する講演が行われました。
はじめに増田先生は「今の日本は企業活動を中心に据えた経済成長が進められているが、富裕層や大企業が豊かになっても国民全体には富がいきわたらない。ゼロ成長でも豊かな社会にするには、『投資家のための株式会社の仕組み』から『人のための協同組合の仕組み』へ変えていくことが必要です。」と協同組合の今日的重要性について指摘されました。そして「今の日本の暮らしは格差の拡大、重い教育費負担など厳しいものになっているが、協同組合はニーズを事業化して暮らしを良くしていきます。協同組合のメンバーの共通の目的は希薄化しているが、『利用する』『かかわる』ことを重視し、組合員とのつながりをもとに理想的な事業運営サイクルをつくっていくことが求められています。」とこれからの方向性を示されました。
講演の後の懇親会では、吉野共生プロジェクトのもとに取り組まれているハートフルコープよしの宅配水事業の紹介など、協同組合らしい取り組みが紹介され、県内農産物を使った料理を楽しみながら親睦を深めました。
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会場の様子 | 滋賀県立大学教授 増田佳昭氏 |